今日のブログは九字と叩歯について。
実はこの前、稲荷山で『九字護身法』というのを買ってきたのですが、ここに叩歯の作法が載っていて驚愕しました。
そんな話。
伏見稲荷に行ってきた!
最近、笛を奉納したい気持ちがあって、笛のお稽古の後気分が良かったので稲荷山に登ってお塚で笛を奉納して来ました。
これが素晴らしい音色で、やはり部屋の中で吹くのと外で吹くのとでは音色が違うと言うか。
素晴らしく良く響いて、演奏の直後に風が吹いて来て、とても良い気分でした。
まぁ、そんな話はどうでも良いのですが。
コロナじゃなければもっと良かったのにって感じですね。
しかし、コロナで参拝客も少なかったです。
千本鳥居がガラガラでしたよ。
だからって参拝はオススメしないですし、千本鳥居は早朝に行けばガラガラらしいので、遠方の方はコロナが収束してからの参拝をオススメしますが・・・
神社を閉めるのも早くなっていて、コロナの影響を感じざるを得ませんでした。
そんな帰り道に、修験道の経典?の類を見つけて、まぁ前から知ってたのですが、卒論の参考になるかも・・・と思って買ってみました。
デデーン
九字護身法と叩歯
問題は、この九字護身法の方ですね。
ここに、"抑も大摩利子天秘授の兵法九字は身を守るの大秘法にして軽忽のことにあらず、其法は先毎朝手を洗い口を漱ぎ、北に向かいて濁気を吐き東方に對い口を少しく開きて生気を吸い飲むこと三たび、次に歯を叩くこと三十六度心を安静にして修すべきなり"とあります。
一応言っておきますが、これ、引用なので・・・誤解しないで下さいね。
書名?は『新版九字護身法平かな付』、発行は㈱大八木興文堂さんで、昭和10年初版です。
興味がある方は探してみて下さい。
それで本題に入りますが。
歯を三十六度叩くとありますね。
これは道教の祓いの所作で、叩歯と呼ばれる物です。
中国の道教では、魔を祓う為に三十六回歯を鳴らす儀礼というか作法というか、そういう物があってですね。
回数までピッタリ同じです。
厳密に言えば、中国では歯の右側を鳴らすとか、歯の中心を鳴らすとかで更に儀礼が細分化されているみたいですが、正直ビックリ。
叩歯の前に生気を吸い飲むともありますが、呼吸法も道教では重要視されています。
更に言うと、九字自体が道教の儀礼でもあるという・・・
道教と修験道
九字と道教の関係は、色々な本に載っていますから前から知ってはいましたが・・・
この本?に記されているのは、作法の一つ一つは、紛れもなく中国にルーツを持つ所作です。
それが九字護身法の中に集結されている。
恐ろしいですね。
ここまで露骨に中国の作法が取り込まれていて、尚且つ記録されているのは珍しいんじゃ無いかな。
初版は昭和10年でしょう、国交正常化以降に中国から取り込んだ物とも思えないですね。
なんか本当に、世の中には色々な物があって、それぞれに受け継がれているんだけど、見る方向が違うだけで集まる資料も視野も限定されてしまう。
卒論のテーマは某民俗芸能と外来思想なのですが。
その民俗芸能が、陰陽道や修験道が関わっている所まで突き止めて、道教に関する本を読み漁っていた所だったのですが。
本当に奇しきご縁と言うか。
日本の宗教が、道教からの影響を受けていた事をこんな形で知らされるとは思っても見ませんでした。
世の中は凄いですねぇ。