小獅子の尾

芸術大学の通信教育部に通う20代女子の雑記

【佐保川の桜】山桜とソメイヨシノ


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最近大学で日本の桜と、日本人の桜に関する認識が時代ごとにいかに変化して行ったのかを学んだ。

やはり山桜とソメイヨシノが対立する図式は重く、色々な事を考えたのですが・・・そもそも、山桜とソメイヨシノって、比較して見たことが無いな、っていう。

山桜は見たことがあるんですよ。
農家なので、祖母の畑の裏にある山に咲いている白っぽい花がヤマザクラやでって教えて貰って。
でも、近くで見たことは無いし、そんなに違う物なのかなぁと言う疑問が残り続けました。

そんな最中!
佐保川の桜に170年の歴史がある事を知り、地域的に山桜じゃね?と思って観に行って来たのでした。
コロナ流行ってるんだから自粛しろよってね、まぁ仕事の関係で佐保川の近くにいたので許して。

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佐保川の桜


これが佐保川の桜だ!
山桜というのは自生している桜の総称なので、佐保川の桜は厳密には山桜ではありません。

ありませんが・・・170年前、ソメイヨシノが流行する前に植えられた桜にしては・・・何というか。
パッと見た感じ、そんなにソメイヨシノと変わらないじゃないですか。

確かにソメイヨシノとは違いますよ。
枝の先に小さな葉が出ていたり、その葉が紅色の物もあったりして、細部はソメイヨシノとは違います。

現代的なソメイヨシノの並木と比べると、時々植えられている垂れ桜なんかは風情があって、ちょっと唐突な感じもありますがなかなか良いです。

でも・・・ソメイヨシノ以前・ソメイヨシノ以降で区切るほどの見た目の変化は無いなって感じでした。
ガッカリ。

桜は桜ですしね・・・それにソメイヨシノ以前とは言え、山に自生している葉の大きな山桜と観賞用に作られた桜では訳が違います。

ソメイヨシノ以前は桜には葉がある物だったとは聞くものの・・・こんなお飾り程度の葉だったら無いのとさほど変わりないです、正直。

関西圏にはソメイヨシノ以前に植えられた桜がまだ沢山残っているそうですが、う~ん・・・

"現代的なソメイヨシノ"という概念を押し通すのもちょっと違うかなって感じですね。

ちなみに、2020年の佐保川の桜は4月初頭で満開でした。
夜間はライトアップされているらしく、吉野ほど山奥でもなく、なかなか良い場所でした。


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ソメイヨシノと山桜

ソメイヨシノと山桜って何が違うの?っていう疑問があると思うのですが、ソメイヨシノって言うのは桜の品種の一つで、山桜っていうのは自生している桜の総称です。

ちょっと見た目が違う桜でも、自生していたら全部山桜です。
そもそも、桜は種を作るときに異なる品種としか交配しないらしいので、自生している桜を品種で分類するのは難しい様です。

人間が親となる木のおしべとめしべをくっつけると品種改良で新しい品種が生まれて、自然におしべとめしべがくっつくと山桜として新たな桜が生まれるという。

何が違うって、大きな違いを言えば、ソメイヨシノは花が咲いてから葉が出ますが、山桜の多くは花と共に葉が出ることが多いという所です。

でも、桜は桜な訳で・・・ソメイヨシノが極めて現代的な桜なのかと言うと、そうでも無いのかなっていう感じですね。

昔から品種改良はあって、品種改良で作られた桜のひとつがソメイヨシノって訳ですね。
種を作る場合は異なる品種を掛け合わせないと交配しないので、同じ品種を増やすには接ぎ木するしかない。

ソメイヨシノはクローン桜、等と言われますが、普通に異なる品種と掛け合わせて種を作ると品種が変わってしまうというだけで、種自体は普通にできるそうです。

知れば知るほど普通の桜でしか無いです。
そんなわけで、ちょっとした脚色で、人間のイメージは大幅に変わるんだなぁという事に気付いた私の日記でした。

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興味があったら読んでみて下さい。
では!

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