京都の紅葉は美しいと良く聞きます。
やっぱり京都は違う!という話を他府県の方からも言われた事があります・・・が、本当にそうでしょうか?
時々、京都紅葉が赤く美しいのは、京都が盆地で夏は暑く冬は寒いからだと言う方もいますが、正直・・・農家の私は品種の違いでは・・・?と思ってしまう訳です。
今日はそんな私の反論を書こうと思います。
京都は盆地だから紅葉が綺麗?
京都は盆地やから紅葉が綺麗って、アホな、大阪も奈良も盆地で気候はそれほど変わらんやろ・・・というのが私の正直な感想。
京都の紅葉が綺麗な理由として、京都では良く、京都は盆地で夏は暑く、冬は寒いから葉が赤くなると言いますが、大阪も奈良も盆地で、京都だけが特別な温度という訳ではありません。
奈良も大阪も紅葉は綺麗ですし、名所も多いですが、盆地である事実は"京都の"紅葉が綺麗な理由にはならない様な・・・
現に、京都・大阪・奈良で収穫される作物にはそれほど大きな変化はありません。
郷土野菜などはありますが。
盆地特有の寒暖差についても、寒暖差がある方が良くなるお米は(農家的に)近畿では良い物が採れない事で有名ですし・・・ホンマかいな・・・という感じがなきにしもあらずです。
京都が特に良く思えるのは単なる錯覚では・・・?
結局の所、ここのウェブサイトにある、
関東以北の山は全山が真っ赤に紅葉するのに対し、京都の山、特に高雄など清滝川あたりは、常緑の杉林の中に紅葉が映えるため、緑と赤のコントラストが一際鮮やか。
という一文が全てを表している気がします。
どうでしょうか?
正直、人間は効果のない薬でも、効果があると信じていれば効果が出てくる様な思い込みの生物です。
京都の紅葉は素晴らしいと信じていれば、実際よりも美しく感じられるのでは無いでしょうか・・・
美しく特別な京都にはもうウンザリ
なぜこんな記事を書いたかと言うと、春・秋になったら一斉に観光客が押し寄せて、バスにも乗れない京都で人混みに揉まれて紅葉を見るのが素敵とは思えないからです。
それに、私は京都の紅葉が特別に美しいと思った事が無いからです・・・
みなさん、目を覚ましましょう!
紅葉が美しいのは京都だからではありません。
紅葉はどの山で紅葉していても美しいのです。
京都を特別視して礼賛するのはあまり良い傾向だとは思えません。
どれだけ京都に価値があったとしても、盲目的です。
日本には素晴らしい紅葉が見れる場所が沢山ある筈です。
美しいと思うのは、人間に合わせて作られた景観だから。
どこの紅葉が美しいという話を聞くたびに、桜の季節が少し過ぎた頃、祖母が畑から見える山辺に咲く白っぽい花を指差して「あれがホンマの桜や、ソメイヨシノは品種改良でできた桜で、ホンマの桜はたいして美しい言うようなモンと違う」と言っていた事を思い出します。
鑑賞のために作られた作り物ではない本物はそれほど美しい物では無いのです。
自然の美しさと、京都の紅葉の美しさは違います。
なぜ違うのでしょう?
それは、京都の名所にある紅葉は人工的に作られた空間だからです。
そこには、自然の美しさを求める華道が、生花という人工物を作るのと事と同様の矛盾があります。
そんな感じです。