最近、まるでプロパガンダの様に、特定の国の人達に関する悪口を聞く機会が増えました。
慰安婦は捏造だ、南京大虐殺は捏造だ、というネット上のお話を信じ込む若者にも沢山出会います。
彼等は歴史を学ぶ事もなく、なぜだか従軍慰安婦や南京大虐殺を捏造だと信じ込んでしまいます。
その事に、ずっと妙な違和感を感じています。
慰安婦や南京大虐殺は存在したのか？
従軍慰安婦や南京大虐殺を否定する人達の多くは"ネトウヨ"と呼ばれる人達と、彼等の主張を鵜呑みにして信じ込んでいる若者～中年の人達です。
私は右翼的な思想を否定している訳ではなく、むしろ愛国心がある事は、どちらかと言えば良い事だと思います。
しかし、日本政府が認めている歴史問題を、"捏造"だと主張する彼等の意思は一体どこから来ているのか、ずっと不思議でした。
彼等の主張は、歴史的事実の中から一部の"言葉"だけを取り出して歴史的事実そのものを否定する主峰を取っています。
南京大虐殺で虐殺された方の人数について、戦時中の事ですから、正確な数字ではない可能性がある、という話はあります。
それがインターネットの中では、なぜか南京大虐殺はデマだった！という話になってしまう所に、ちょっとした恐怖を感じます。
事実を否定する背景とインターネット
歴史の教科書は何度か改訂されている様ですが、少なくとも20代後半の私が学生だった頃には従軍慰安婦や南京大虐殺に関する記述がありました。
そして、今差別的な発言をしている人達の多くは年代的には私とさほど変わりない様な人達です。
日本の歴史として、従軍慰安婦や南京大虐殺を学んできた人達です。
彼等はなぜ、日本政府が認めている歴史問題を否定しているのか？
彼等の話を聞いていると、日本は素晴らしいが、他の国はこんなにも酷い！という論調で話をされる事が多いです。
ある意味で、狂信的な状態だと考えることもできます。
更にインターネットの存在が状況を盛り立てています。
災害時のフェイクニュースは記憶に新しいですが、ネットの世界ではデマや嘘が広まりやすいのです。
優位にある者を陥れたい気持ち
歴史的事実の否定は少し横に置いて、ヘイトスピーチをする人達の話を聞くと、そのベースには"虐げられている私"という考えがある事に気がつきます。
若者を取り巻く状況と言うか・・・バブル崩壊から随分経ちますが、それでも日本の経済は未だになかなか凄い状態です。
給与の平均金額は下がり続け、非正規が増えた上に正規雇用の労働時間は年々増加しています。
そして、酷い状況の中で虐げられている人達は、良い思いをしている人間を許せない心境にある様です。
私は休まずに働いているのに、あいつは○○だ、病気になるなんて貧弱だ！というのはどこでも良く聞く話です。
"在日特権"というのは恐らく、この様な感情から出てきた言葉だと思います。
本来はもっと苦しまねばならない奴等が良い思いをしている、という訳です。
この様な状況下で、実際に特権が存在しているのかどうか、ではなく"良い思いをしている奴等"という仮想の敵を作り出し、批判する事で彼等は自身の立場を受け入れようとしているのでしょう。
仮想の敵と人間の心理
人間性に問題があるとは思いますが、ヘイトスピーチを行う日本人の立場もなかなか苦しい場合がある訳です。
その中で、やはりこの様な"仮想の敵"を作り出す右翼的な団体はやはり賢いと言うか何と言うか・・・
例えば、フランス革命は"貴族"という"仮想の敵"を作り出す事で成し遂げられた偉業です。
当時のフランスには、民衆を助けようとする貴族も多数存在しましたが、"貴族"を徹底的に敵視する事で民衆は団結し、革命を成し遂げました。
敵を持つ事で、ある特定の団体が団結するというのは一種の事実ですし、政治や一部のカルト宗教でも良く用いられる手法です。
そして、ヘイトスピーチを目的に集められた人達は差別を通じて均衡を取ろうとします。
カルト教団との共通性
さて、日本で最も悪名高いカルト教団のひとつ、オウム心理教は現代人の"孤独"に付け入る様な形で拡大した教団でした。
彼等は警察を含む外の世界を敵視し、オウムは孤独な現代人の居場所として大衆に"宗教"の世界を提供しました。
この方式はヘイトスピーチをする若者の環境に少し似ている様な気がします。
意図しているのか、意図せずそうなったのかは解りませんが、これだけデマが拡散している背景には、カルト的な仕組みが働いているのは確かでしょう。
人を集めてイベントを興す為には、ある程度のお金が必要です。
政治活動の世界ではカンパや寄付金という名目のお金が集まります。
ヘイトスピーチの中心にある一部の人達は、いくらかのお金を集めている様です。
彼等がどのような意図でこの様な事をしているのかは解りませんが、組織としてはかなりカルトに近い物を私は感じています。
悪口の真相は？
ここからは悪口が出てきますが、間違っても私の意思では無いですから、間違えないでくださいよ・・・！
「KPOPは国策だ」、「桜は韓国が起源だ」、等々、最近色々な悪口を耳にします。
KPOPは国策かも知れません。
でも、日本も国策として海外で日本文化をPRしています。
そんなのはどの国も同じです。
国が関与しているからKPOPには政治的主張がある訳でも無いです。
お隣の国の喜び組なら政治が関与しているかも知れませんが・・・
桜も、日本だけに存在する植物ではありません。
英語ではチェリーブロッサムですよ、さくらなんて海外にも自生しています。
韓国にも韓国原産の桜がある事は特に批判するべき内容ではありません。
まぁ、その桜がソメイヨシノに似ているので混乱があった様ですが、それも・・・正直どうでも良いですね・・・
剣道しかり、ネット上の悪口は正直どうでも良い事ばかりです。
学術的にも、そうとも言えるし、そうではないとも言える事ばかりで、批判事態が不毛だと言わざるを得ません。
なぜこの記事を書こうと思ったのか
実は、かなり前ですが、神社でお世話になっていた先生と久々に再会する事になりました。
喜び勇んで待ち合わせ場所に向かい、食事をしたのですが・・・他の人達も食事をしている中で、彼女が話した内容が韓国人への批判でした。
正直、私は凄くショックでした。
それまで、少なからず敬意を持っていた相手が韓国人に対する差別発言を延々と語る姿を見て、神社という世界に失望しました。
神社は、右翼的思想が蔓延する世界です。
しかし、同時に韓国(朝鮮半島)由来の文化が色濃く残る世界でもあります。
その中で、彼女が韓国人を蔑視している事を心底残念に思いました。
同時に、以前の職場で少なからず耳にしていた韓国人・中国人への差別発言が思い出され、なんとも言えない気分になりました。
この記事は私のささいな意思表明として書きました。
冷静に現状を俯瞰できる人がもっと増えれば良いと思っています。
では！
