エクソシストって実在するの?
今更ですが、明けましておめでとうございます!
ようやく年末年始の疲れが引いて来ました。
そんな訳で、年明け一回目のブログはエクソシストについて書こうと思います・・・え?テーマがおかしいって?言えてる・・・
実は、年末年始に某テレビ番組に、アメリカのゴーストハンター・リッチ・ニューマン氏が出演しているのを見て、ゴーストハンターって本当に居たんだ~と思ったと同時に、少し前に読んだアメリカの警察官による手記、エクソシスト・コップを思い出したのです。
この本はちょっとした私のオカルト趣味で読んだ物なのですが、エクソシスト・コップの中に書かれているキリスト教の祓い(エクソシズム)と日本の神道や民俗信仰における祓いに共通点があり、面白いなぁと思ったので、今日はその辺について書こうと思います。
しかし、警察官が休日にエクソシストになる訳ですから・・・アメリカって凄い国ですよね。
バチカンでもエクソシストの養成に力を入れているみたいですし、世の中は結構凄いです。
日本で悪魔憑きなんて言っているとアホみたいですが、結構本当にそういう状態になっている人がキリスト教圏には居てですね、聖痕と共にキリスト教が広まっている地域でのみ起こる現象みたいです。
なんか、やはり人間にはそういう社会心理と言うか、信仰が物質的な世界に与える影響があるのかなぁと思います、プラセボ効果みたいな。
人間って不思議ですよね。
エクソシスト・コップという本を読みました
そんなわけで、エクソシスト・コップです!
これは、アメリカの警察官ラルフ・サーキさんが、その半生を記した自伝というか、手記というか、そういう物です。
当初はアヤシイ・・・と思っていました。
本屋さんには売ってなさそうですし、タイトル的に買うのが気まずいので、Amazonで古本を買って読んでみて、正直びっくりでしたね。
世の中には幽霊なんて居ないし、悪魔も居ない、神社もお寺も迷信だと思う人からすると、やはり作り話になるのだと思います。
しかし、悪魔憑きに関する記述は非常にリアルで、ホラー映画的な記述は無く、憑き物に関する伝承と共通する部分があったりします。
正直、文化が違うので完全に一致しているとは言えませんが。
そして、興味深いのはその祓いの次第です。
始めに香を焚き、水(聖水)と米を撒いて場を清める。
キリスト教は西アジアで成立した宗教ですが、なるほど、アジアの宗教理論がそのまま盛り込まれている感じがします。
沈香はキリスト教でも洗礼の際に用いる香木だと大学で習いましたが、エクソシズムにも香木を用いるとは・・・
清め祓えの文化
自慢じゃないですが、私は義父が長崎の出身で義家族が敬虔なクリスチャンであるにも関わらず、キリスト教には詳しくありません!
五島の墓地には時々十字架の石碑があって、その十字架に"○○家先祖之墓"とか書かれているのですが、常々そのミスマッチさに常々ジワジワ来ています・・・というのはどうでも良い話ですが・・・
キリスト教は西アジアで誕生した宗教で、イスラーム教と同様に旧約聖書を教理の中枢に置いていたりして、割りと西アジアの他の宗教とも密接な関係にあったりします。
礼拝に香を焚くのはイスラームの風習で、それが仏教や道教に影響を与え、中国で線香が開発されて日本にもたらされる訳ですが、この風習はキリスト教にも取り込まれていたのだと思います。
浄土教の成立にキリスト教からの影響があった事は有名ですし、キリスト教に仏教やイスラームの習慣が取り込まれても不思議ではないです。
少なくとも西アジアの宗教文化だと言えますね。
更に、エクソシズムでは水と米を撒く・・・
水は聖水ですし、米はライスシャワーみたいな事なのでしょう。
神道と比較すると、時折ワインが出てくるので酒はあるものの、塩が無いです。
が、香に関しては神道には無いものの、水と米を撒く事で、神道の清め祓えとほぼ同様の手順を踏んでいる事が解ります。
この本を読んでから、卒論の関係で中国の宗教儀礼に関する映像を複数観たのですが、みんぱくが出しているペー族とナシ族のDVD(題名調べろよって感じですね)に、塩や穀物を撒いて清め祓えをする映像がありました。
キリスト教と神道の中間みたいな感じですね。
この時に、清め祓えっていうのは日本のオリジナルじゃ無かったんだ!という小さな衝撃があった事を覚えています。
アジアの宗教と影響関係
キリスト教でも神道でも、清め祓えでは米を撒く訳ですが、米の原産地はアジア圏ですから欧州の文化というよりもアジア圏の文化(キリスト教自体が西アジアの宗教ですし)だと考えられます。
所が、面倒臭い事に、この米という穀物は複数の種類があって、種類ごとに起源が三ヶ所に分裂しているのですね。
もしも世の中のお米が一種類なら、中国にも同様の儀礼がある=中国由来の習慣だろうと仮定できるのですが・・・正直私はその他の地域の宗教文化を知らないので、清め祓えの起源がどの地域なのか解らないままでいます。
ただ、清め祓え以外でも、実は世界の宗教儀礼には共通する部分が多々見受けられたりします。
最近、私は世界の宗教の根源は全て同じなのでは無いかと思っていたりします。
それは、"神様に祈るから同じ"という単純な意味ではなく、今日の世界宗教・・・仏教、キリスト教、イスラーム教は全てアジアで誕生した宗教であると同時に、互いに影響を与えあっているからです。
そして、各地の民族宗教の多くは世界宗教からの影響を強く受けています。
儀礼に共通点が多いのです。
そんな訳ないって思うじゃないですか?
でも、アフリカの宗教なんかを見たら、全然違いますよ。
共通点を感じられないんです。
所が、アジア・欧州の宗教儀礼にはなぜか共通点がある。
私は、その理由をアジアで誕生した三つの宗教ーキリスト教、仏教、イスラーム教ーと、その影響力では無いかと現時点では考えています。
単なるオカルト趣味もあるのですが、悪魔祓いや憑き物落としみたいな儀礼には明確な宗教理論があるので、やはり読んでいて面白いな、と思います。
それと同時に、普通の方と話が通じない所まで行ってはいけないな・・・と痛感する次第です。
では!