小獅子の尾

芸術大学の通信教育部に通う20代女子の雑記

【国楽と宗教舞踊】韓国の伝統舞踊・民俗舞踊

こんにちは。
現在無職の通信制大学生です。

少し前にハングルさえ書いたことの無い私が、韓国語(朝鮮語?)で韓国の舞踊家さんにファンレターを書いたお話をしました。

そこで、今日は韓国の伝統舞踊について説明したいと思います。

なお、東洋では舞踊と音楽の総称として古来より"楽"という言葉が用いられて来ました。

"舞踊と音楽"と書くと少し文章がくどくなるので、ここでは伝統的な表現に則って"楽"という言葉を使いたいと思います。

雅楽について

日本の伝統的音楽や舞踊に最も影響を与えている楽は雅楽です。

雅楽については以前にもこのブログで触れていますが、まだ読んでいないという方はこちらからどうぞ。
xiaoshizidewei.hatenablog.com


過去の記事でも紹介している様に、雅楽は本来儒教儀礼の中で行われる、ある種の宗教的な意味を内包する儀礼音楽です。

ご存知の通り韓国は儒教が盛んな国ですから今も雅楽が伝わっており、儀礼の中で雅楽が演奏されている様です。

雅楽は中国系の楽ですが、中国では文化大革命が行われた影響から、現在は韓国と台湾で継承されている物が主な研究の対象となっています。

やはり中国系の楽ですので、韓国(北を含めて朝鮮と表記すべきでしょうか・・・?)独自の伝統的な表現は少なく、中国系の舞型が散見されますが、舞踊の端々に韓国的な表現も見受けられ、それが独自の魅力となっています。

個人的に、魅力的な楽だと感じています。

国楽について

国楽という言葉は、伝統舞踊と関わりの無い方からすると耳慣れない言葉かも知れませんが、台湾や韓国等の国々で、中国にルーツを持つ楽の総称として用いられている言葉です。

主に宮廷舞踊等を指しますので、広い意味では日本の雅楽も国楽の一種であると言えます。

ただ、日本雅楽の場合は年代が少し異なりますから、国楽と表現するのが一概に正しいとは言えないですが・・・

日本の雅楽は中国にルーツを持つ"唐楽"と、朝鮮半島にルーツを持つ"高麗楽"に大きく分類されているのですが、韓国の国楽には日本雅楽に通じる表現が多々あります。

共通する舞型、楽器を用いて演奏される国楽はいつも私に雅楽のルーツを連想させます。

日本の雅楽と同様に宮廷音楽としての側面を持ちますから、優美で洗練された舞踊で、韓国の伝統舞踊を表現する"静中の動"という言葉を正に表すような楽です。

農楽について

韓国の伝統芸術に興味が無くても農楽は見たことがある方が多いのではないかと思います。

農楽では、白い装束の上に青や黒の衣装を重ねて、頭頂に長い紐の着いた小さな帽子を被り、頭頂の紐を回転させながら楽器を演奏します。

農楽は民間で行われる民族宗教の宗教儀礼で、農楽を行う人々を農楽隊と呼びます。

一般的には楽器を演奏やアクロバットが有名ですが、本来は中国系の傀儡戯(人形劇)とは異なる朝鮮の民俗芸能としての傀儡戯や、語り物音楽等も農楽隊は継承していました。

また、彼らは各地の村落で門付けの芸能(村人の家に入って宗教芸能を行う)等を行う民俗宗教の宗教者であり、同時に各地を放浪する旅芸人の一座でもありました。

農楽の芸能は日本の宗教芸能とも密接な関わりがあり、神道における宗教芸能のルーツを思わせる芸能です。



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