神道を調べていると、いつかは日本神話に辿り着きます。
卒論を書いていても、日本神話の存在が意外と大きい・・・そこで、今日は日本神話について書いてみようと思います。
古事記と日本書紀
日本神話と言えば、『古事記』『日本書紀』の二冊に記される記紀神話が有名ですね。
古事記なんかは漫画も現代語訳も沢山出ていて、何を読めば良いのか解らないくらい沢山本が出ています。
おおまかに『古事記』は日本国内で読むために編纂された神話で、話の筋は一つに纏められていて、日本語の表現が入り交じる変体漢文で書かれています。
これに対して『日本書紀』は恐らく外交を意識して書かれた神話兼歴史書だと考えられていて、正確な漢文で記されています。
話の筋は統一されておらず、多くの異説を同時に記録している所に大きな特徴があります。
ちなみに、中国人の友人に『日本書紀』読ませた所「是中国的古代文」と言っていました。
かなり正確な漢文で、文系の人なら現在でも中国人が読んで違和感のない文体みたいです(※古語として)。
記紀神話じゃない日本神話
でも、日本神話だけど『古事記』『日本書紀』に記載のないお話ってありますよね。
神話の色濃く残る地方の方や、演劇の神楽が好きな方は、『古事記』『日本書紀』の二冊では納得できないかも知れません。
そんなわけで、日本神話が記されている書籍を羅列してみるとこんな感じになります。
『古事記』
『日本書紀』
『風土記』
『古語拾遺』
『先代日本旧事本紀』
色々ありますね。
一番読みやすいのは『古事記』で間違いないでしょう。
『古事記』よりも詳しく知りたい方は『日本書紀』、各地の神話を知りたい方は『風土記』。
『古語拾遺』、『先代日本旧事本紀』になって来るとかなりマニアックですね。
『古語拾遺』は平安時代の神道資料、『先代日本旧事本紀』は神典だそうです。
えぇ、私もパラパラめくった事があるだけで、詳しくは読んでませんとも・・・
神社検定には出てくるので、神社検定を受験する方は必読ですが・・・それ以外の人は正直あまり読まない本だと思います。
偽書・ホツマツタエ
巫女さんをしていた頃に、『ホツマツタエ』の話を聞いた事があります。
ヲシテ文字なる文字を用いた偽書なのですが、私の師にあたる先生(もちろん普通の神職、新興宗教ではありません、念のため・・・)は『ホツマツタエ』を偽書とした上で、神話としての価値を高く評価されていました。
いつか読もうと思いつつ、やはり偽書として広く認知されている為かAmazonを見てもマトモそうな本がありません。
先生から、ちょっと新興宗教っぽいけど良っか!という安易な気持ちから新興宗教に関わりを持つと、知らず知らずの内に洗脳の仕組みに嵌まっておかしくなるよ、との教えを受けているので、怪しげなヲシテ文字云々、神代文字云々と書かれた本に手を出せず・・・
今もこの神話を読めずにいます。
神話単体で本にして欲しい物です、多分売れないから無いんだろうけど。
各地に伝承される神話
さて、『古事記』、『日本書紀』、『風土記』、『古語拾遺』、『先代日本旧事本紀』と来ても、まだ収録されていない神話もあります。
それは、各地に伝承される殆ど伝説に近い神話です。
例えば、私が勤めていた神社にはスサノオ尊が櫛稲田姫命に送った和歌、「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠めに 八重垣作る その八重垣を」の御返歌とされる和歌と共に、神社に纏わる神話が伝えられていました。
もうこの時点で地域がバレてますけど、神話が盛んな地域というのが全国に何ヵ所かあって、そのような地域では各地に伝わる神話が神社に伝えられている事があります。
神職の先生から、東北の方にも神社に伝わる神話があると耳にした事がありますので、きっと全国各地にそのような神話が伝えられているのでしょう。
この様な神話は明確な成立年代は不明ですが、案外凄い物だったり、後世の人の手で改変されていたりします。
周囲の伝承と辻褄が合うか合わないかで、ある程度は改変の有無を判断できると思います。
では!