芸術大学の通信教育部に入学して四年を迎えようとしています。
最近、自分が芸大生という事を人前で話す機会があり、あまりにも芸大の中と外で認識が違う事を知り、ちょっとイライラしたのでネタにしてみました。
芸大生=絵描き問題
一番多い勘違いは、間違いなく芸大生=絵を描いてるパターンの決めつけです。
そもそも、芸術に関わりの無い人達の多くは芸術=絵画だと思っています。
芸大行ってるんだ~、絵を描いてるんでしょ?
みたいな会話は日常茶飯事で、絵を描いていない芸大生はいちいち訂正するか、絵を描いてる風を装って誤魔化すかの二択を迫られます。
確かに芸術には絵画が含まれますが、芸術=絵画じゃないんです・・・
芸術は絵画の他にも、音楽や舞踊、パフォーマンスアートや書道、テキスタイルデザイン、コンピューターグラフィック迄、様々な表現を総称する単語です。
芸大生で絵を描いていない人は案外多いです。
芸大生が近くに居たら、どんな絵を描いているのか聞く代わりに、何を選考しているのかを聞いてみてあげて下さい。
芸術大学=美術大学問題
これも良くある話なのですが、芸術大学って言ってるのに、何故か美術大学の学生だと思われている事が良くあります。
まぁ、これも根本的な所は初めの話と同じなんですが・・・
芸術と美術って違うんですよ。
あまりにも芸術=絵画の認識が強いので、芸大=美大認識になる方が一定数いるんです・・・
美術は芸術の中の一部の分野を意味しているので、私みたいに芸能を学んでいる場合は美大生でしょ?って言われると物凄く違和感を感じます。
きっと日本画・洋画を選考していても違和感を感じると思うんですよ。
そのくらい、芸大の中と外では認識が違うんだと思います。
美大と芸大は音大と芸大くらい違うんですよ・・・解って貰えないけど・・・
勉強してるんだから解説して問題
これも時々あります。
美術館や博物館で勉強してるんだから説明してよっていう無茶ぶり。
何の予備知識も無い人に、数分で解りやすく専門用語を使わずに基礎から教えるって、きっと講師でも難しいですよ。
しかも、美術館や博物館に展示されている作品は殆どが私にとっても初見の作品。
更に言うと、何度も言ってますが私は芸能を学んでいるので、美術館や博物館の展示物に関しては一般教養として学んだ事しか解りません。
何度繰り返して説明しても、どうしても芸術=美術だと決めつけているその思い込みが拭えないのです・・・
仕方がないので説明すると、次から次へどんどん質問が重なって行きます。
なぜ私はプライベートで学芸員みたいな事をしなければならないのだろうか、自身の存在意義を自問自答してしまいます。
決めつけは止めよう!
色々やっていると良くある事ですが、肩書きで相手を決めつけるのは止めましょう。
伝統芸術と伝統芸能を学んでいる上に公家顔の私は、コーラを飲んでいた時に同僚から「日本茶しか飲んだらダメでしょ」と言われた事があります。
ちょっと意味が解らないです。
ハーフ顔だったらコーラしか飲んだらダメだったのかな・・・
まぁ、この話はどうでも良いですけど、勝手に自分の印象だけで相手を決めつけるのは良くないです。
ただ、問題はあまりにも認識が違うという所。
芸術に関わっていれば当然の事が、それ以外の人にとっては当然じゃないから決めつけが起こるのです。
どうやって対応して行くべきなのか、未だに良く解りません。
人の話はちゃんと聞いて下さい・・・というのが私の切実な祈りです。
では!