こんにちは。
現在無職の通信制大学生です。
今日はチベットの密教についてブログを書こうと思います。
密教とは?
密教と言うと、日本では空海の真言宗と最澄の天台宗が有名ですが、密教と仏教の違いを知っている方は案外少ないのでは無いかと思います。
仏教における密教(ヒンドゥー教の密教もあるそうです)とは、8世紀以降に成立した後期密教聖典の通称です。
密教は別の言い方では「タントラ」と言います。
タントラは日本語では真言と訳される事がある言葉なのですが、本来は経典に表れない秘密を示した典籍であることを含意する言葉なのだそうです。
難しいですね。
簡単に言うと、密教とは限られた仏教徒だけに伝えられる"秘密の教え"という事です。
中国・チベットの密教
中国の密教は主にチベットを中心とした地域で信仰されていて、沢山の宗派があります。
その中でも主な宗派として四つの宗派が挙げられます。
それぞれの宗派は紅教、黄教、白教、黒教と呼ばれており、恐らく五大に基づいて四つの色が当てはめられている物と考えられます。
※その割に一色足りませんが、その辺は良く解りません!
この内黒教のみ、密教が盛んに信仰されるチベット周辺地域で、密教が伝来する以前から信仰されていた民俗宗教です。
黒教は本来は密教とは異なる宗教でしたが、密教が伝来して以降は黒教と密教が融合し、現在は密教の一派としても数えられている為、黒教と密教の関係には注意する必要があります。
それぞれの宗派には紅教、黄教、白教、黒教等の呼び方の他に、次のような名称があります。
名称と共に、各宗派を紹介したいと思います。
※書いている内に、何故か二宗派増えていました!
旧派(紅教)
紅教はチベット密教の旧派の事です。
黄教(ゲルク派)と紅教は、チベット密教において特に重要な二流派と言えます。
従来からのニンマ(古)派などの保守的な諸宗派が紅帽を着用していた事から、紅教と呼称されています。
開祖は、八世紀の中ごろにインドからチベットに来たパドマサンババ(蓮華生)だとされています。
ゲルク派(黄教)
ゲルク派はダライ・ラマ法王を中心とするチベット密教の主要な流派です。
ゲルク派の教えは後述のカダム派から引き継いだ物で戒律を重視する所に大きな特徴があります。
旧派の紅教に対して、黄帽・黄衣を身につける為、黄教と呼称されています。
開祖はツォンカパで、15世紀初めに宗風の改革をめざして創始した宗派だとされています。
カダム派
1032年にインドの僧侶アティーシャがチベットに招かれ、ラマ教を改革しました。
その際に影響を受けた高弟ドムトゥンが創設した宗派がカダム派です。
サキャ派(花教)
サキャ派は、北部チベットでアティーシャの思想的影響を受けて成立した宗派の一つ。
アティーシャとは、9世紀半ばにラン・ダルマによって破壊された仏教を再建するため、インドからチベットに招かれた仏教僧です。
13世紀には中国元朝の帰依を受けて、チベットの政教両権を掌握しましたが、現在ではサキャ寺・デルゲ寺を中心とする地方勢力となっています。
カギュー派(白教)
アティーシャの傾向に近い弟子の系統から、後にガンポパのような無上瑜伽タントラ系の不思不観の瞑想法をとり入れるものが現れました。
彼らは多くの追随者を集めた事からカギュー派と呼ばれ、カダム派(アティーシャの弟子を主にカダム派と呼称する)と区別されています。
ボン教もしくはポン教(黒教)
ボン教・ポン教とは冒頭で説明した通り、密教が伝来する以前からチベットの地で信仰されてきた宗教です。
ボン教と密教は異なる起源を持ちますが、互いに影響を与え合っている事から、現在は両者の区別が難しいほど習合が進んでいます。
ボン教には、チベット古来の原始的な民俗宗教であるボン教を指す場合と、チベット仏教の中の一派として密教と習合したボン教を指す場合があり、文献を読む際には注意が必要です。