この写真は去年の中国旅行で訪れた杭州の茶博物館の近くで見付けた陸羽の像です。
陸羽は世界最古の茶に関する書物『茶経』の著者で、茶道の鼻祖と呼ばれる人物です。
記事にはしていませんでしたが、年度末の旅行では茶博物館も訪問していました。
茶の種類
皆様ご存知の通り、お茶には紅茶、緑茶、ほうじ茶、抹茶etc...色々な種類があります。
これらのお茶は区別は加工方法の違いで、植物としての茶の品種は同じなのだそうです。
中国で発祥した茶文化と茶ノ木は現在、世界各国に伝搬し、新たな茶文化を産み出しています。
当初、薬として用いられた茶は現在の我々が飲んでいる物とは違い、茶葉を発酵させて固形に固めた物でした。
これを『茶経』では団茶と呼んでいます。
団茶
団茶は現在の日本では廃れてしまいましたが、現在も中国やチベットで一般に流通している物で、有名な物ではプーアル茶が挙げられます。
特にチベットでは、茶の煎じ方も古い方法を採用しています。
古代の茶は、団茶を長時間煮詰めて茶の成分を抽出していた様です。
この為、普通に飲むと苦味やえぐみが出て大変不味く、このえぐみを誤魔化す為にチベットではミルクを、日本では生姜などを入れて風味を整えていました。
また、この他にもチベットには薬として茶を用いた事を示す伝説が伝えられており、古い茶の文化を伝える地域の一つであると考えられます。
薬としての茶
この様に、貴重な薬として用いられた茶は仏教と結び付き、両者は現在も深い関係を保っています。
中国では不老不死や仙人の信仰がある為、薬に対する信仰が厚く、これらの一部は日本にも伝来し、牛玉符の様な形で現在も日本文化の一部として継承されています。
茶と香は仏教を通じて文化的に近い関係となり、後の茶道の発展により茶道の中に取り入れられていますが、香自体にも薬として用いられた物があり、両者は元来、文化的に近い関係にあったと考えられます。
茶道の成立
日本で喫茶文化が成立したのは室町時代以降、寺院の門前に茶を振る舞う店が出始めたのが始まりです。
当初の茶屋は文化的に確立された物ではありませんでしたが、仏に備えた茶を参拝者に振る舞うという視点から大変流行しました。
やがて茶は仏教とは別の文化として認められる様になりますが、現在も禅と茶、仏教と茶の関係は密接な物であると考えられます。
ハーブを育てています
我が家には先祖から受け継いだ田畑が何ヵ所もありますが、祖母が骨折した事で現在は農作業をする人が居らず荒れ果てています。
大学で香道の講義を受けた際に、フランスの香料農家の存在を知り、ハーブの栽培に興味を持ったのが始まりでした。
ハーブは生命力が強く、手が掛からない為週末農業に適しています。
当初の目論見通り、自宅近くの土地で実験的に栽培しているハーブはぐんぐん成長し、花を咲かせようとしています。
農業としての茶を学びたい
今後、茶農家でのボランティアを通じて茶の出荷(流通)と加工を学び、長いスパンで商品化できれば・・・と考えています。
茶葉の栽培自体は私がするには現実的に難しい物がありますが、ボランティアの力を借りて被災地の支援をしながら荒れ果てた耕作地を再生し、茶園を増やす活動に農業の新たな可能性を感じています。
収益が出るかどうかは解りませんが、荒れた田畑を復旧できる日が来れば良いと思っていますので、長い目で考えようと思っています。