今日は、中国の音楽教育について記事を書こうと思います。
中国の伝統芸術
中国の芸術と言えば、何を思い浮かべるでしょうか。
現代の中国は、日本でも良く耳にする様に急激な経済成長を遂げました。
この経済成長と共に、経済とアートは融合し、中国には特徴的な"消費される芸術作品"が多数存在しています。
そして、これらの芸術作品とは別に、中国には書や水墨画、漢詩の様に日本でも親しまれる伝統的な芸術作品も現存しています。
実現するかどうか、現時点ではまだ解りませんが、私は将来的に中華圏に留学したいと考えています。
理由は色々とあるのですが、何よりも魅力を感じるのは東アジア全域に多大な影響を与えた中国文化と、伝統芸術を学問として扱っている点です。
中国では紀元前の頃から情操教育の様な形で学校で"芸"を教育しています。
歴史の中でも官僚や貴族の嗜みとして"芸"は大きなウェイトを占めました。
現在の彼らがこの様な歴史的経緯をどの程度まで意識しているのか、私には解りません。
しかし、現在でも中国の音楽大学や芸術大学では、伝統芸術が教育分野のひとつとして広く認識されています。
私は中国語を勉強して、興味本意で中国の芸術大学のWebサイトを見るまで、国によって教育の内容が異なるという事実を認識していませんでした。
個人的には、この様な意識の違いから来る相違を知る事に大きな意義があると感じています。
中国の教育と日本の教育
中国の音楽大学は、伝統音楽の分野と西洋音楽の分野に大きく別けられています。
日本でも邦楽を学べる学校はありますが、中国では基本的に全ての音大に西洋音楽の学部と中国音楽の学部がある様です。
これらの分野から更に、各分野毎の楽器の製作と、演奏に大きく別けられます。
根底的に、私は楽器の製作を大学で学ぶという認識をそもそも持っていなかった為、大きな衝撃を受けました。
日本では伝統楽器の世界が衰退している事がしばしばニュースになっていますが、中国では二胡や筝等の伝統楽器の製作方法を大学で学ぶ事ができるのです。
この事実には本当に驚きました。
伝統音楽にも現代に相応しい継承方法や構造が必要なのだと、なんとなくそう思った事を今も覚えています。
中国の伝統芸術の教育の中で、特徴的だと思うのは哲学に関する科目が多い事です。
基本的に、伝統芸術や伝統文化に内在する理論を彼等は"中国哲学"として捉えています。
目に見えない"道"の世界を哲学という学術的な視点から研究しようとする、その姿勢からは風水や儒教等に通じる精神的な文化を感じさせられます。
日本は中国文化圏ですが、両国の文化は一見似ているようで、やはり異なる物です。
特に、その精神性は大きく異なります。
この事が現代の教育にも影響している事を、非常に面白く感じます。
日本の文化は諸外国からの影響を受けて、時代毎に変化して来ました。
現代の"伝統文化"には、日本の"独自性"を誇張する空気があると私は感じています。
私はこの空気が辛い。
精神を育む為の"芸"は何処にあるのか?
時間を掛けて、学んで行きたいと思います。