小獅子の尾

芸術大学の通信教育部に通う20代女子の雑記

十九世紀の西洋文学についてレポートを公開してみる。

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備忘録を兼ねて大学の課題レポートを公開しています。
今回は芸術史のレポートです。

※レポートの盗用の有無を調べるソフトもあります。
学籍も剥奪される可能性があります。
盗用はやめて下さい。

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  (1)ドイツ文学
 十八世紀のドイツでは、義務教育の成立により識字率が上昇し、出版物に用いる文字がラテン語からドイツ語へと変化した。
この時代に登場した教養市民は、小説を始めとする新たな文化の担い手となっている。
 また、この時代のドイツは統一された国家では無かった物の、ナポレオンの侵攻とそれに対する抵抗戦争から、ドイツ独自の文化や思想が模索された時期でもあった。
 この時代のドイツ文学は、啓蒙思想への反発から始まったシュトルム・ウント・ドラング、ドイツ古典主義の時代を経て、一七九〇年代後半に初期ロマン主義が成立している。
これら一連の文学運動は、啓蒙君主制によって強い影響力を持っていた啓蒙思想に代表される人間中心主義が展開した物として解釈する事ができる。

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  (2)イギリス文学
 同時代にはイギリスでも小説が発展し、ゴシック・ロマンスが流行していた。
ゴシック・ロマンスとは、ゴシック建築を背景に展開される幻想小説の一つである。
この時代にイギリスで流行したゴシック的な趣味・価値観は、ギリシア・ローマを規範とする古典主義からの脱却を目指す後のロマン主義へと引き継がれている。
 十八世紀の半ばに首都ロンドンでの産業革命によって識字率が上昇し、小説は新たな娯楽として市民階級に受け入れられる。
小説の読み手が変化した事で、社会の現実を描くリアリズムが盛んとなった。
 一八八四年には、アメリカ出身のイギリスの作家であるヘンリー・ジェイムズによって『小説の技法』が記され、小説は芸術の域にまで高められた。

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  (3)フランス文学
 十八世紀のフランスでは、フランス文学における歴史のひとつの系譜である心理小説が展開していた。
 フランスにおけるロマン主義の先駆はルソーの散文作品であるが、ギリシア・ローマ古典を重視するフランスにおいて、ロマン主義が顕在化したのは十九世紀、ヴィクトル・ユゴーの登場以降である。
フランスでのロマン主義文学は、国内で自発的に成立した物ではなく、諸外国からの影響のもとで成立した物である。
この為、ユゴーの『オードとバラード集』や『東方詩集』にはスタール婦人の『ドイツ論』からの影響が認められる。
 一八三〇年には産業革命が起こり、十九世紀半ばには写実主義が文学の主流となり、やがて科学技術と実証主義を理論的根拠にする自然主義が成立している。

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  (4)十九世紀ヨーロッパの文学

 十九世紀のヨーロッパは、フランス革命産業革命によって市民階級が力を持ち、文化を担った時代である。
ヨーロッパ各地で義務教育や学校創立が行われた事により、ヨーロッパ各国における国民の識字率は上昇し、文字を読む市民が現れた。
彼等が新たな小説の読み手となった事で、この時代のヨーロッパでは文学の傾向が大きく転換している。
 十九世紀から二十世紀にかけての時代は、それ以前の古典的な文学作品から近代文学へと続く系譜が生まれ、確立された時期であると言える。

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