年末から連続で受講している科目で、中国雲南から東南アジアにかけての文化や少数民族の生活や文化について大まかな所を勉強しています。
国家・民族という概念
国家や民族と言う物は、実は近代に入ってから作られた概念で、特に民族については世界的な定義が無く、各国が独自に国民を分類しているというのが現状なのだそうです。
例えば、しばしば単一民族等と称される日本にも古代には大和族や出雲族、海人族等の多数の民族が存在していました。
彼らの子孫は今もなお日本に存在している筈です。
そこで、彼らの子孫である今の日本人は何民族なのかについて少し調べてみましたが、明確な記述を見付ける事はできませんでした。
現在ではアイヌは日本の先住民族である事が一般的に知られていますが、少し調べてみると、近年まで日本の少数民族ではあるが先住民族としては公的に認められていなかった事が解り、衝撃でした。
国家のレベルで日本の少数民族に関する認識は非常に曖昧な様に感じられますが、この様な事象は恐らく日本だけに存在するのでは無く、世界的に共有されている物なのだと思います。
そもそも地域性の違いと民族の違いを区別するのは非常に困難な事であり、少数民族も少数では無い民族も実際にはただの人間なので、民族という括りで人間を分類しようとする事は難しいのかも知れません。
新たに産み出される民族性
そんな少数民族ですが、国家から少数民族として認められている人達がお金を稼ぐ方法のひとつに、民族性を全面に押し出す事で観光産業から利益を得るという方法がある事を知り、それが強く印象に残りました。
例えば、インドネシアのカヤン族、通称首長族の方々の村は観光地化しており、日常的に訪れる観光客に工芸品等を販売する事で利益を出しているそうなのです。
カヤン族の様に、少数民族と観光産業が結び付く事で、民族性が増して新たな文化が成立する事がしばしばある様です。
この様な話を聞いていて、ふと日本も同じかもしれないと思いました。
日本の文化や民族性を意識する事で、新たな民族のアイデンティティが成立する、それは例えば神前結婚式であったり、除夜の鐘の様な近代になってから成立した日本の伝統文化と通じる物があります。
着物の着付けや茶道、花道の型など、伝統文化は時代と共に変遷します。
これはその時代ごとの日本人が感じた日本文化のイメージを体現した物なのかも知れません。
文化は常に人間の手で創造されている物であり、同時に我々は知らず知らずの内に文化からの支配を受けています。
民族性や文化とは何なのか、今後もより掘り下げて学びたいと思っています。
クリックして頂くと励みになります
人気ブログランキング
にほんブログ村